The BEATLES  

 

 

いいですねービートルズ(お、いつも違うはじまり方だ)。今回は、ちょっと志向を変えて、The Beatlesについて思うこと、それにまつわる楽器(のうち持っているもの)の自慢をしていこうと思います。

 ビートルズにハマッたのは、高校の時の(誰だ!?リアルタイムで高校の時に知ったなんて言ってるのは)。
 うちに古いステレオがあって、それが中3のとき壊れてた。それで、レコードが聞けなくなっていた我が家は、新しいのを買うことに。ただ、私が受験生だったということもあり、受験終了後に買う、ということに家族会議で決定。特にオフクロが「兄の育児でゆっくり聴けなかったビートルズを聴く!」とイキがっていました。で、無事、受験も終わり、コンポを購入。このとき、親戚の電気屋のおじさんに「これからはCDが主流になるから」とアドバイスを頂いたが、必要ないと、レコードプレーヤーのみついてあるものを購入。3年後くらいにはレコードは姿を消してしまったというハナシがあります。
 それはさておき、念願かなったオフクロは「ビートルズのレコード買って来い」と私と兄をレコード屋に走らせた。丁度その年、名(迷)盤、「ビートルズ1962−66」(通称赤盤)、「ビートルズ1967−70」(通称青盤)というそれぞれ2枚組のベスト版が発売になっていて、その2種類を購入。レコード自体何かのオマケみたいな透明な赤と青のセルロイドになっていて、年代別に代表曲のみ30曲くらい入っているやつです。
 その頃ビートルズといえば角川映画「悪霊島」のテーマソング「Let It Be」くらいしか知らなくて(「Yesterday」ですら知ってたかもしれないが思いつかなかった)その曲が入っている青盤のまずは1枚目からを聴こうと、オフクロより先にレコードに針を落とした。フォッ、フォッ、フォッ、フォッ……(バルタン星人じゃないよ)何だこりゃ。生まれてはじめてまじめに聴くビートルズが、「Strawberry Fields Forever」。ちょっとシゲキが強すぎた。次の「Penny Lane」はともかく、「T am The Walurs」「Lucy in The Sky With Diamond」とか「A Day in The Life」とか、いわゆる前衛が次々に……。これのどかがいーんだよ!?なんで世の中の人はそんなに騒ぐんだよ、青盤2枚目B面にある「Let It Be」まで聴くまでもなく、私はステレオの前を去った。台所にいたオフクロ「どう?ビートルズ。いいでしょう」私「そう?」。
 赤盤も聴かないまましばらく日が経ったある日、高校の軽音部のコンサートを何気なく覗きに体育館に入ったら……。
「♪カモン(カモーン)カモン(カモーン)…」部活(古典ギター部)の先輩が歌ってた。これガムのCMで聞いたことあるー。何?これもビートルズだったの?
「シイラヴジューーヤーヤーヤー♪」お、いーじゃん……「 カムトゥゲザァ〜〜」何かかっこいーぞ、ビートルズ!
 うちの学校のスターだったこの先輩の歌うビートルズ、メチャカッコ えーやん。次の週にライヴあるから、と誘われ、ライヴハウスへ。「♪ジュアァァ〜〜ン♪イツビーナー…」なんかスゲエかっこいい。これでビートルズに興味を持って、またうちに帰って、今度は赤盤から―。

「ぷえ〜ぷぇ〜ぷぇぺっぺぺぺ…」なさけないハーモニカの曲(「Love Me Do」)ガクッ。やっぱダメじゃん。ところが次の「Please Please Me」からは…。おおっ。ガムの曲じゃん。そして「She Loves You」「From Me To You」……「A Hard Days Night」……これで完璧、はまりました。
 ところで先程の先輩、翌年に卒業してすぐ上京、プロデビューしました。The 東南西北というバンドの久保田洋司さんです。知ってる人は知ってるとおもうけど。うまいわけです。この人に会わなければビートルズにハマらなかっただろーね。部活の先輩、というので、影響も受けやすかったし。
 その後NHK−Fmで1週間にわたり、ビートルズ全曲フルコーラス流す、という企画があり、全部テープに録音。この後からオタク化。

 大学に入り、バイト代でお金も自由になってからはCD(その頃にはCD文化になってました)、買いまくり。全曲そろえました。

 ←写真(ヘッド) リッケンもどきとカジノのヘッド部分。リッケンもどきのロゴに注目。ちなみに余った弦を丸めているのはジョンレノンのまね。

  で、ギターを弾いた自分としては、楽器も欲しくなって…。で、消費税導入前日、新宿の楽器屋に入ったら、あれっこれ、ジョン・レノンが持ってるやつ?とワケも分からず、購入。
 ヘッドの文字は「Rickenbacker」ではなく「Fernandes」と書いてあるのを知ったのはずっと後日ですが。
 確かにリッケンバッカーは8万円定価であるはずないんだよね(35万くらいはするもんね、モノホンは)。
 S楽器に入社後、会社の先輩にその時のことを話すと、「よかったねー、うちに入らなくて。うちだったら、ホンモノ買ってたよ、36回払いとかでー」と言われてしまった。確かに店員が私自身だったら、リッケンを売ってるだろうなあ。
 このギター、3/4スケールと小さく、はっきり言って弾きにくい。あのデカいジョン・レノンが持つから、妙にバランス悪く見える。ジョンの体の左側に持って弾くスタイルは、このギターのせいなんだと思う。
 しかもこのギター、チューニングが安定しない。けっこう太めの弦をはらないと、とんでもないことになってしまいます。それはホンモノもそうです。

 2本目のビートルズギターは、日本公演でジョン・レノンも、ジョージ・ハリスンも持っていたエピフォン社のカジノというセミアコギター。エレキギターだけど、ボディの中が空洞になっていて、生音も少しはなります。
 購入当時は、エピフォン自体が国産になっていたのですが、今は、韓国産になって、より安くなっています。エピフォンブランド自体、ギブソンの廉価版メーカーになり下がっていて、少々かなしいです。
 ただ、国産で1昨年、ジョン・レノンシグネチャー定価¥360,000が発売されました。とても買えなかったけど。私のカジノはトップが、バーズアイメイプル(鳥の目のような丸い模様)になっていて、ちょっと自慢。今のカジノにはバーズアイは出ていません。
 カジノはとても弾きやすいギターで、私の持っているギターの中で唯一(?)週1くらいで音を出しています。おかげで先日、ナットのリペアが必要になり、1万円もかかったけど。

ところでビートルズといえば、私にとってはジョン・レノン。高校の頃は[Let It Be」とか「Hey Jude」とか、ポール・マッカートニー作のものの方が好きだったし、実際楽曲として優れているのはポールの作品の方が多いと思うんです。あの有名な「Yesterday」―私はあまり好きではありませんが―もポールの作品です。だから音楽的な才能というのは、ポールの方が持っていただろうし、音楽家(ミュージシャン)としてはポールの方が上だったと思っています。事実、ポールは天才です(きっぱり)。
 じゃあ何故、ジョン・レノンなのか。ポールの「天才」に対して、ジョンは「神様」だから(なんじゃそりゃ)。その時の空気というか、パワーを作れる人だと思うわけです。例えば初期の代表曲、ジョンのものが多いのは、ビートルズとしてのパワー、勢いを作れたからだし(後期になり、ジョンが衰え、ポールが力をつけた、という人がいますが、ポールが力をつけたというのはともかく、ジョンは衰えたのではない。そんな音楽的才能はもともと持っていなかった、というのが私の見解)。
 ある時期からジョンの作品の数が少なくなるのは、もうビートルズは世界征服を終了した後だし、それ以上パワーを必要としなかっただけだと思うんです。
 だからビートルズのある意味がなくなったから(世界一のバンドになって有名になって金持ちになって女にモテる、ということ全てクリアしてしまったから)、ジョンの気持ちはビートルズから離れたんじゃないかな?
 で、世界の平和とか政治とかウーマンリブとかに走る。ヨーコがそっちに引っ張ったという人もいるが、ジョンが次のものに目をつけるため(ジョン自身の存在価値を持つため)、ヨーコがたまたまパートナーになったんじゃないかなあ。

 音楽の話に戻るけど、ソロになってから「イマジン」なんて名曲のこしているけど、これも楽曲としては凄いわけじゃない。サビもイマイチ盛り上がらないし。でもこの曲が残るのは、歌詞とジョンの想い(魂)が入ってるから。だからインストロメンタルに直したところで、この曲は意味がない。もっと言えば、ジョンが歌わないと意味がない。「この人でないとダメ」、そういった魅力がある。そんな訳で、私は「ジョン」なのです。

 80年に凶弾に倒れますが、今、生きていると何をしているのか―なんて考えるのはヤボです。こんなこと書くと不謹慎なんて言われるかもしれないけど、今生きていたら私はこんなにハマってなかったと思います。キリストもジョンも現世から消えたために神となり、偶像となったんでしょうから。


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