クラシックギター
「加納木魂作 #50」

 いいでしょう。

 前回予告してあった通り、今回は本当に凄い。手工品クラシックギターです。何と!サイドバックはハカランダ。世をハカナンダ ハラカンダ(なんか谷川俊太郎チックになってるぞ)。また、このハカランダの質が良い。ハカランダ(別名ブラジリアン・ローズウッド)は、アコーステイックギターのサイドバックの材に最も適している、といわれ、昔は結構出回っていたらしい。ところが、数が減り、20年位前ワシントン条約で伐採が禁止。今はそれ以前に伐採されたもののみチラチラ小出しに出ています。特に良質の物は滅多にお目にかかれない。というわけで、このギターは希少価値がある、んでもって「凄い」というわけです。

 大学の時に友人の紹介で、八王子にある中古楽器店で見つけました。しかもそこの店の主人、完全な道楽で楽器店をやっていて(本業は隣にある薬局かなんかだったと思う)かなり安く手に入れることが出来ました。とはいってもクレジット(36回!)だったけど・・・。
 そう、このとき初めて「楽器は分割で買える!」と言う事に気付いてしまったのです。おかげで以後、10年くらい何かしら楽器のローンを立て続けに払い続けていました。
 それはいいとして、このギターのバック(裏)は平ではありません。真ん中の部分が波打ってて、まるで背骨がある様。しかもちょっと猫背。この形状は、加納木魂氏の作品の特徴らしく、7〜8年前の楽器フェアーで木魂氏の「作品」があったが、どれも「脊椎ギター」だった。

 音は非常によく通る、というかんじ。ホールとかでソロで弾くと良く分かるんじゃないかな。でもその機会も無いけど。ああ、なんて可哀想なギター。ぱぱが手にしたばっかりにずっとケースの中。年に数回ケースから出るけどぽろぽろ弾くだけで終わってしまう。本当は小ホールくらいで弾いてこそ、このギターの特性が出せるというのに。でも、淋しくはないよね、同じ境遇の中間達がずらっと並んでるから。